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彼氏 卒業編 32

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イラスト/ シロマイナスクロ yunata



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一瞬言葉に詰まったお妙は、斜め上を見上げていた。そしてその言葉は来ないだろうと思っていた人物に向けられた。
「高杉さん」
その声に、皆で驚いた様に「ええ!」と声をあげて玄関に視線を集中させた。するとそこには、確かにお妙の言葉の通り、高杉が居た。そして一番驚いたまた子が、高杉へと声をかけた。
「ななっ、何で来たんスか?」
「来ちゃ悪りぃのか」
首をぶんぶんと振るも気が動転しているまた子。確かに今日は神楽と沖田の新居祝いに行ってくると高杉にも連絡は前々からしておいた。でもだからといって高杉が一緒に行くはずもない事は知っていたから、今日だって一人で来たのに、後で、しかも一人で現れるとは全く想像もしていなかった。

そんなまた子を、普通にスルーすると、高杉は神楽へ土方と同じように祝い袋を渡した。
「ほらよ」
あの高杉からの常識的な行動と、封筒の中に入れられたお金に、思わず神楽は目をキラリと大きくさせた。
「マジかオイ。お前から祝い袋なんて貰えるとは思ってなかったアル」
そう言った神楽を冷ややかな視線で見下ろすと、用は済んだとばかりに背を向けた。
「待つアル! せっかく来たんだからもうちょっと居るヨロシ」
明らかに面倒くさそうな表情をさせたけれど、また子にも同じようにたしなめられた高杉は腰をおろした。
予想外に現れた高杉の周りには、既に沖田達がちょっかいを出している。
せっかく来てくれた高杉に飲み物を用意しようと思い台所に立った神楽に、お妙が顔をほころばせながら近づく。
「ふふ、結局全員集まっちゃったわね」
お妙の言葉に、促されるようにチラリと見てみると、そこには確かに高校時代の時のような、沖田や高杉、近藤や土方のたわむれる姿があった。
「本当ネ」
神楽の口元からも笑みがこぼれた。
普段なら全員が揃うなんて事はそうそうない事だ。それはまるで高校時代の時のような光景のようだった。
「こんなに全員が揃うなんて、珍しいから、今日はお祝いもかねて食事でもどうかしら?」
お妙の提案に、神楽はナイスアイデアと顔を輝かせた。
「それ良いアル!今日は皆でパーティネ!」
「それじゃあ、買い物に出なきゃだめね」
「そうっスね、何にするっスか?」
ミツバとまた子も提案にのると、女子だけで話はどんどんと盛り上がった。
「じゃあ、買い出しはどうしましょうか?」
お妙がそういうと、すかさずミツバが答えた。
「神楽と総ちゃんは、少しでも引っ越しの片づけをした方いいと思うわ」
「じゃあ、私が晋助様と行ってくるっス」
「あ、すぐ近くに大きなスーパーがあるネ」
神楽の言葉を聞いたまた子は、高杉の所にと話をつけに行った。初めは「めんどくさい」だの「俺は帰る」などと言っていた高杉だったが、結局また子に押し切られ家から出て行った。



神楽の家を出たまた子は、高杉の車に乗り込み、この近所にあるスーパーへと立ち寄った。
二人が同棲するという事はまえまえから神楽に聞いていたけれど、実際に目でみると、やはり羨ましさが胸の中に広がった。今でも高杉の家に泊まる事はよくある事だけれど、帰る家が一緒だということはそれだけで特別な気がした。

(いつかは、私だって……)
そう思いながらも先を歩く高杉の背中に触れようとしてはその手を握りしめる。
未だって、十分大事にしてもらってるのは理解しているつもりだ。なによりこの目の前の男の隣を歩いていけるだけで、贅沢なんだから……。



家に帰るなり、爽快な光景にまた子の目がキラキラと輝いた。
「誰からの差し入れっスか」
「むふふ、とっしーと、ゴリからネ」
また子と高杉が出て行ったあと、沖田や神楽、そしてお妙やミツバが片づけている間に、土方と近藤がそれぞれ別口で買ってきたのか、ピザと寿司が、そして酒がテーブルの上に置かれていた。買い物袋から食材を取り出すと、残りの料理の支度をしはじめた。4人の手にかかると、あっという間に仕上がりテーブルを彩ると、各々の席につき、グラスを持った。

引っ越し祝いと、珍しいメンバーが集まった事をかねて、神楽が「乾杯!」と口を開きかけた時だった。

「ピンポーン」
シンとなった部屋の中に、チャイムの響きがあとをひいた。
高杉は無関心であり、近藤と土方は引っ越しの宅配が届きでもしたのかというような心情で、視線を沖田の方へと促した。
そんな中、また子と神楽の視線がかちあった。
さっきと同じような状態だけれど、ここに高杉がいるわけで、あと考えられる候補を必死に探し出そうとしてみるも、二人の頭の中には、たった一人の存在しか思い浮かばなかった。

そんな神楽の様子を感づいた沖田だったが、この状況で出ないという事も出来ない。だからせめてもしそうだったとすれば、さっさと片をつけるまでだと少しドアをあけた。

「こんにちは!うそっ!本当に超絶イケメン!」」
すると、視界に入ったのは、思い描いてた顔じゃなく見た事もない顔があった。
「初めまして。隣に住んでいる白洲杏奈です」
思わず面食らっていながらドアをあけきると、そこには沙良も居た。
さっきとなりに顔を出した時は沙良しかいなかったけれど、どうやらルームメイトである友人が帰って来たのだろう。沙良から沖田の事をきき、挨拶をしにきたのか、顔をみにきたのか、とにかく目の前に女はいた。
沙良だけならまだしも、挨拶を来た事にたいして非常識とも言えず、初対面の女を即効で追い返すわけにもいかず沖田はうなじをかきながら、返事をかえした。
「あー……。初めまして、沖田と言いまさァ」

白洲杏奈は沖田の声を聞きながら、足元に連なる靴を見つけた。
「もしかして、引っ越しの最中ですか?あっ、私たちも手伝います!」
「はっ?!や、別に―――」
思ってもみなかった沖田が唖然としているその隙間を通りすぎて、沙良のルームメイトは家の中に入ってしまった。
あっという間に靴を脱いで行ってしまった背中。先に入ってしまった友人を悪いと思ってはいるけれど、沙良は伺うように沖田の方をちらりとみた。
(マジかよ……)
この状況で、入ってしまった女を引きずりだすなんて事は出来そうもない。沖田は天井を仰いだあと、中に入れと沙良に合図した。すると沙良は顔をパッと明るくし靴を脱ぎ「おじゃまします」と控えめにつぶやいた。

・・・To Be Continued・・・・・
Category: 彼氏 卒業編
Published on: Sat,  11 2019 14:04
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